高専数学まとめノート@はてなブログ

解法のエッセンス。数学のトピックス。

高専の数学1 問題集【B】問題18.16(1)

目標

整数nを0以上の整数の組の和で書きたい

悪戦苦闘

この問ではx+y+z=8になる0以上の整数x,y,zの組が何通りかを求めたいのですが、
いったん問題をとらえ直しておこう。


たとえば、具体例として、
x=2,y=3,z=3があるなあ、と考える。
この"2+3+3=8"をn個の○を区切ることで表現してみる。

○○|○○○|○○○ ⇔ 2+3+3

前から、丸が2つ・3つ・3つ
この、2・3・3の並びが、x+y+zの足し算の各項に対応付けできている!
どんどんやってみる!!

○|○○○○|○○○ ⇔ 1+4+3
○○○○|○○○|○ ⇔ 4+3+1
○○|○○|○○○○ ⇔ 2+2+4

なるほど。確かに、和が8になる足し算を○を区切ることで書けている。


この問については、x,y,zとして0以上の整数であると書かれていますから、
0+3+5 ですとか、 1+7+0 とか 4+0+4 8+0+0も、求める組に含まれます。
それぞれ、区切りと丸で書いてみると、

|○○○|○○○○○ ⇔ 0+3+5
○|○○○○○○○| ⇔ 1+7+0
○○○○||○○○○ ⇔ 4+0+4
○○○○○○○○|| ⇔ 8+0+0

となりました。


ここまでの具体的な例示から、
-○-○-○-○-○-○-○-○-
このような”ー”のある位置(9か所)から”|”を置くところを選べばよさそうだ!
そして、その置き方は
 1:”|”のある位置から”|”を置くところを2か所選ぶとき
 2:”|”のある位置から”||”を置くところを1か所選ぶとき
という場合に分けられそう。
というわけで、この問の解答は、
_9C_2+_9C_1=\frac{9\cdot 8}{2}+9=45        45通り


解答にはたどり着けたが・・・これでいいのだろうか・・・?
というもやもやが生まれてくる。
_9C_2+_9C_1
という形。なんか綺麗過ぎませんか。
あ・・・そういえば・・・

公式  _{n-1}C_{r-1}+_{n-1}C_{r}=_nC_r  (ただし、 1\leq r \leq n-1

なんてものがあったなあ・・・。
ここで、n=10,r=2とすれば、

_{9}C_{1}+_{9}C_{2}=_{10}C_2

というわけでこの問題は_{10}C_2で一発で解答できてしまうのかもしれない・・・。
さて、検討してみよう。

前言撤回

_{10}C_2。10個の中から2個の物を選ぶ組み合わせ。
さて、この問題で”10個”の物が登場しているところはあっただろうか?
ここまでの区切りの具体例を、改めて列挙してみる。

○○|○○○|○○○ ⇔ 2+3+3
○|○○○○|○○○ ⇔ 1+4+3
○○○○|○○○|○ ⇔ 4+3+1
○○|○○|○○○○ ⇔ 2+2+4
|○○○|○○○○○ ⇔ 0+3+5
○|○○○○○○○| ⇔ 1+7+0
○○○○||○○○○ ⇔ 4+0+4
○○○○○○○○|| ⇔ 8+0+0

この左側に注目。
○と|、合わせて、10個!
10個の記号が並んでいる列が現れていることに気付く。
この問題は、10個の記号の並べ方を求める問題だったようだ。


○が8個、|が2個あるから、
□□□□□□□□□□
このような、10個の記号が入る空白に、|を2個埋めて、残りの8個に○を埋めるやり方を求めればいい。
よって、
_{10}C_2=\frac{10\cdot 9}{2 \cdot 1}=45       45通り

おまけ 18.16(2)

x+y+z=8になる自然数x,y,zの組の作り方は、
○-○-○-○-○-○-○-○
”ー”のある位置(7か所)から”|”を置くところを2つ選ぶやり方に等しい。
_{7}C_{2}=\frac{7\cdot 6}{2}=21       21通り

この問題での経験をまとめておこう

a_{1}+a_{2}+ \cdots +a_{m}=n (nは整数)
となる  a_{1},a_{2},\cdots,a_{m}のm個の0以上の整数の組は、
n個の○とm個の区切り”|”の並べ方と考え直すことができるから、
_{m+n}C_{m}で求まる。

これを公式として暗記する必要はないけれど。
整数を『区切る』という発想によって、組み合わせが使えるところに落とし込めた、という経験こそ大切。

あとがき

この問題はこんな風に味わえるかなあと。
もちろん、”10個の記号が入る空白に、|を2個埋めて、残りの8個に○を埋めるやり方”としてパッと解法を示せるけども・・・それだけ書いても「へー!」ぐらいで終わっちゃうので、ゴール地点を見据えながら大回りしてみました。問題を見てパッと発想を数式に落とし込めるようになるためには、とにかく味わいつつ演習し、発想・捉え方の手駒を増やしていくことが大切だなあと思うので。
その経験則から、『いろんな経験をするための遠回りする記事』を意識しすぎた結果、えらく遠回りしすぎた感もありますが・・・。場合の数や組み合わせは、発想の第一歩目が湧いて出るかが肝になるので、より多くの発想の経験を提示するためにこうしてみました。(結果、くどい章立てになってなったかな・・・。)


数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

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上・中級公務員標準数的推理―基礎から体系的に学べる“基本書”

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新編 高専の数学1問題集 第2版

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