微積分のマトリョーシカ
久々の更新はについて。
微分しても積分しても自分自身が現れるということが、を含む問題を解く操作の全体に規則性を生み出していくことがあります。そのことに気付くための積分の問題を2つほど、手書きでご紹介しますね。
高専の数学3問題集 10.2(4)
2回積分すればyが求まるタイプの問題。2度目の積分を一々部分積分で解いていると日が暮れてしまう。必要な不定積分の結果が、1回目の積分で既に求まっていることに気付こう。部分積分の次数下げと指数関数によって、次々と入れ子構造を作っていることにも注目しておきたいですね。
(1行目が蛍光灯の反射で見づらくなっていますね。ご容赦ください。)
筑波大学編入学試験過去問
同様の広義積分の問題。だけれども、むしろ問われているのはそこではなく、『次々と規則的に定数を出しながらxの次数が下がっていく様子』に気付くか、というところではないでしょうか。
(途中の[]内はロピタルの定理に拠っています。)
下から2行目から最後の行にかけては、どんどんと次数を下げていく操作がn回続くことを省略しています。少しびっくりしてる人は、何度か時数を下げてみる操作を実行してみて下さい。最後にx^0(=1)の係る積分が出てくることを忘れずに!
追記
Twitterで素晴らしいご指摘をいただきました。
@web_nct 編入試験の問題、ラプラス変換の定義式みたいですね…。
— くみちょー (@n_t_m_kumityo) 2014, 2月 2
素晴らしい気付きですね!お見事!編入試験の問題集の広義積分の章にはラプラス変換の公式がどっさり出てきます。
関連:ラプラス変換表 http://t.co/wzCMQnUMjx RT: @n_t_m_kumityo 編入試験の問題、ラプラス変換の定義式みたいですね…。
— 高専数学ブログの中の人 (@web_nct) 2014, 2月 2
関連:ラプラス変換表
http://okawa-denshi.jp/techdoc/2-1-4Rapurasuhyou.htm
関連リンク
指数関数:wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%95%B0%E9%96%A2%E6%95%B0
ロピタルの定理:wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%94%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86
(前半で使った定理です。ただ、この問題の極限値については、頻出のパターンなのでパッと値が書けてもいいかもしれません。)
ライプニッツの法則:wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E8%88%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%84%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
(の掛かった関数のn回微分を考える問題で重宝します。)